【ネタバレ注意】アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を紐解く。

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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

 

現在上演中のアニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を見に行ってきました。

個人的な感想と、少しの考察をもって、打ち上げ花火を紐解いてみたいと思います。

 


<ネタバレ注意>
続きに、原作ドラマを含む、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のネタバレがあります。あと、「君の名は。」「時をかける少女」のネタバレもあります。内容を知りたくないという方、ネタバレされたくないという方などは、絶対に続きを見ないでくださいね!

 

 

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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?の感想。

 

作品概要

アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』予告編

 

■打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?公式サイト
http://www.uchiagehanabi.jp/

■打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?公式Twitter
https://twitter.com/uchiage_movie

 

原作は、岩井俊二監督・原作・脚本のテレビドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。

1993年に放送されたオムニバステレビドラマ「if もしも」の18通りの物語の中の一つのストーリーとして放送され、その後の反響の大きさから1994年に映画化された作品です。

アニメ版は、新房昭之総監督と、武内宣之監督。脚本は大根仁さん。

プロデューサー/製作総指揮は、川村元気さん。

音楽は、神前暁さん。

声優には、 広瀬すずさん、菅田将暉さん、宮野真守さん、松たか子さん、花澤香菜さん、浅沼晋太郎さん、豊永利行さん、梶裕貴さん、三木眞一郎さん、櫻井孝宏さん、根谷美智子さん、飛田展男さん、宮本充さん、立木文彦さんが参加されています。

主題歌は、DAOKOさん×米津玄師さんの『打上花火』。

 

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あらすじ

夏休み、 ある海辺の町。花火大会をまえに、「打ち上げ花火は横からみたら丸いのか?平べったいのか?」で盛り上がるクラスメイト。

そんななか、『典道(のりみち)』が想いを寄せる『なずな』は母親の再婚が決まり転校することになった。

「かけおち、しよ」

なずなは典道を誘い、町から逃げ出そうとするのだが、母親に連れ戻されてしまう。

それを見ているだけで助けられなかった典道。

「もしも、あのとき俺が・・・」

なずなを救えなかった典道は、もどかしさからなずなが海で拾った不思議な玉を投げつける。

すると、いつのまにか、連れ戻される前までの時間が巻き戻されていた・・・。

何度も繰り返される一日の果てに、なずなと典道がたどり着く運命は?

繰り返す、夏のある一日。

花火が上がるとき、恋の奇跡が起きる

公式サイトより引用。

 

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ざっくりとした感想

<良い所>
■難解
■音楽がとってもいい!
■背景も動きも絵もきれい
■特に花火の描写が良い
■プールに飛び込む描写がいい
■最初のオープニング大好き!
■君の名は。とは全く違う
■声も好き。お芝居も好き(但し、モノローグ以外)
■原作ドラマを見た事が無い人は、原作ドラマを見てからアニメ版を見に行った方がいいと思います
■原作ドラマは全くネタバレにはならず、アニメ版を完成させるものです

<悪い所>
■難解
■役者さんも声もお芝居も絵も大好きで素晴らしかったが、このフィルムには合ってない
■声的に、絵的に、というか総合的に、登場人物の年齢が高くイメージされてしまうのがすごくもったいない(ほとんどすべてのシーンのカタルシスが激減)
■だから、高校生ぐらいに見えるのに、妙にガキっぽい事を言ったり、ガキっぽい理由で駆け落ちしようとする、変なやつらになってる
■だから、これから見る方は、この映画の設定である中学1年のファンタジー、いや、むしろ原作通り、小学生6年生、12歳の物語だと思って見てほしいです
■「君の名は。」と比較?されているみたいだが、それが本当にもったいない
■どこで「君の名は。」のイメージが付いたのか知らないが、宣伝的にそうでなかったのなら、そういう流れになってしまったのは単純にツイテナイ、とても不幸なことだったと思う
■逆に「君の名は。」と紐付けるような、そういう宣伝をしていたなら、ダメだと思う。そういうメディアがあったとしたら、この映画はそのメディアの完全な被害者。心底同情する

 

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美しい映像と最高の音楽

 

何より、映像と音楽が素敵でした。

特に好きだったのは、オープニングと導入部です。

花火が上がって名前が映し出される演出も、そこに流れているBGMもとても素敵でした。

あとは、後半の花火が上がる描写も美しかったし、BGMが全般的にとても素敵でした。ちゃんと物語に寄り添っていて、感動しました。

僕は、原作のドラマが大大大好きで、だから、挿入歌にREMEDIOSさんの『forever friends』のカバーを、すごくいい所で使ってくださって感謝しかなかった。

その瞬間はほんと、この世界が停止したみたいに、一瞬が永遠にも思えました。

それだけで、この映画を見に来た甲斐がありました。


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二つの残念な所

 

残念だった事の一つは、主人公達が高校生ぐらいに見えてしまう所です。

この映画での設定は中学1年生です。

しかも原作では、小学6年生なんです。

なぜ小学6年生のままにしなかったのでしょうか。

12歳の物語なんですよ!

本当は!!!

だから、声もお芝居も絵も本当に素晴らしかったんだけど、その大切な12歳の設定とは、どこかミスマッチだったかな、と自分は感じました。

原作の小学6年生12歳の物語というところが、この作品のキモだと僕は思っていたので、その芯がぶれてしまっているように見えたのが、とても残念に感じました。

原作で心が揺さぶられたすべてのカタルシスシーンが消滅していて、テレビのコマーシャルかなんかを延々みているような気持ちにさえなりました。

 

もう一つの残念だった所は、「君の名は。」と並べて語られていることが多い所です。

初めて見る方には、なぜか、そういうイメージが付いてしまっているのでしょうか、そういう感想を多く拝見しました。

最初の方の、ざっくりとした感想にも書きましたが、それがメディアの勝手な宣伝のせいだったとしたら、心底同情します。

 

根本的に違う所は、「君の名は。」はループ(タイムリープ/タイムトラベル)で、「打ち上げ花火」はパラレル(タイムリープ/タイムトラベルはしていない)の物語だと僕は思ってるんです。

つまり、「君の名は。」は現実は一つでそれを行ったり来たりしているのだと思うのですが、「打ち上げ花火」は現実が何個もあって、そこを行ったり来たりしているのだと思います。

一つが現実でそれ以外はもしも(if)の世界という描き方だったかも知れませんが、そこがまた話がややこしくなる所で、その辺りはまた最後の方に書きたいと思います。

 

ループというのか、タイムリープというのか、パラレルというのか、いろんな言い方があるかと思うのですが、「君の名は。」は「時をかける少女」と同じ分類かなと思います。

「打ち上げ花火」と同じ分類の映画を上げるのは、ネタバレを避けようとすると難しいですが、例えば、ある程度公式的に発表されている情報から書ける作品として「◯◯◯」(amazonにリンクしていますので作品名が見たい方はクリックしてみてくださいね。)などと同じ部類と言えるかもしれませんが、でもある意味では「君の名は。」や「時をかける少女」とも同じ部類だとも言えそうで難しい所です。

この辺りの作品は「◯◯◯」などもありますし、名作が多いですよね。

なので、時間を扱った色んな映画を見てみたり、いろんな方の感想とか考察とか、色々見聞きするのがこういう映画の楽しい所なのかもしれませんね。

 

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面白い所

 

で、その難解さが、良い所でもあるし、悪い所でもあるのだと思います。

その難解さだったり、説明の下手さだったり、描写の悠長さだったり、演出の過剰さだったりが、見る人によって面白かったりつまらなかったりする分かれ目なのかなと思います。

僕は、結構、面白く見れたほうだと思うのですが、それでも不満が無いわけではありません。

人によっては何が何だか分からなかったかも知れません。

 

シャフトという有名なアニメ制作会社が作っているのですが、それが免罪符になっているかのような描写もあって、そういう時は、正直、心底面白いもの作ってくれよ、って思いました。

お前らはそれでいいのかもしれんけど、大好きな「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」に何してくれてんねん、って思う所もありました。

 

でも、何もかもがダメだった訳じゃ無いし、じゃあどうだったの?って聞かれると、むむむ・・・と言葉に詰まってしまいます。

もう少し、主人公たちを若くして言動や行動を抑えて、ここぞという時に解放してくれると、見ている方としてはカタルシスが大きかったかな、という気もしています。

原作でめっちゃいいシーンだった所のほとんどのカタルシスが激減していて、本当に、もったいないと思いました。

 

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少しの考察

 

原作ドラマは、すごく現実的で、世界も2つだけです。

しかし、アニメ版は、良質なファンタジーになっていました。

「もしも玉」という不思議な玉でパラレルな世界を沢山行ったり来たりして、最後には変な世界に行ってしまいます。

 

どの世界もそのサークル?とかの回転の向きが違っているように見えて、それが現実ともしも(if)の世界の違いなのかも知れません。

最後玉が割れた時、原作のバスの描写もあったので、原作ドラマもこのアニメのifの一つということなのかな、と思いました。

 

つまり、アニメの世界は「今度会えるの二学期だね。」を言う世界じゃ無いということなのでしょう。

そのどれもが、二人の思い出となっているようで、『典道(のりみち)』だけでなく、『なずな』もすべての世界を知っていたのでしょうか、なずなは、花火が変な形だっていうのを知っているような口ぶりでした。

あの玉には、そういう不思議な力があるのかも知れません。

なずなの父親が死んでいた時にその玉を持っていたように見えましたが、もしかすると、父親と母親もパラレルの世界を旅した一人なのかも知れません。

 

原作には、TVドラマでは流れなかったもう一つのエンディングがあり、それがアニメ版に使われています。

最後にあった、二学期が始まって教師から名前が呼ばれるシーンがそれなのですが、原作でもアニメでも、転校した「なずな」の名前は呼ばれなかったと思います。

アニメ版では、典道(のりみち)の名前は呼ばれるけど返答がなくて、???ってなる所。

自分の考えでは、現実として駆け落ちが成功したか、もしかしたら、一人でなずながいなくなった海でも見てるのかな、とも思いました。

あなたは、どう感じたでしょうか。

 

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一瞬を、永遠に。

 

原作のよさは、ノスタルジーと儚さ、だと思っています。

打ち上げ花火が、平べったいか、丸いかにせよ、それは一瞬で消えてしまう。

なずなと、典道の時間も、一瞬でした。

プールで一緒にはしゃいだ一瞬は、多分、もう戻ってこない。

 

でも、このアニメは不可能を可能にしてしまった。

一瞬を、永遠にしてしまった。

それは、とても優しい世界だと僕は思うけど、

僕もいつかのあの一瞬が永遠であって欲しかったと、そう思うけど、やっぱり、それは凄く、僕には幸せすぎるんです。

僕には、まぶしすぎる。

 

いや違うな。

多分、僕には何もできなかったんだと思います。

僕には、どうすることもできなかったから、永遠の世界に違和感があるのかもしれません。

それを、典道のように現実世界を飛び出して、変化させ、望む方向に導かなければいけないのでしょう。

でもそれは、どこかの幸せな人が作った、勝手気ままな世界のような気がしてしまうのです。

僕は、あの日の後悔を、いまだ拭うことが出来ないでいるのです。

 

原作で、なぜ、一回だけ時間が戻ったか、なんて分からなくてもいいんですよ。

そもそも別の現実だし。

花火が平べったかろうが、丸かろうが、変な形をしてようが、そんなことどうだっていい。

むしろ、重要なのは、あの頃の「なずな」は、もうどの世界にもいない、という現実なんです。

いや、あの頃の「なずな」はフィルム(記憶)の中にしかいないんですよ。

それは、原作で典道が星の奥に見ていた、なずなの写真と同じなんです。

 

でも、アニメ版では、「どこにだっているよ、私は」という事を言っちゃってくれる訳です!

「次会えるの2学期だね」って言われるんじゃなくて、「次どこで会えるかな」なんですよ!!

それって、幸せすぎませんか!!!

 

僕は、自分がそんなに幸せになっていいのかどうか、いまだに、分からないんですよ。

もっと丁寧に教えてくれないと、新しい道に進む事さえできないんです。

玉を投げて「はい変わりました」って言われても、今の世界は、投げる玉さえ無い状態からのスタートな訳です。そんな都合の良いものなど何も無いし、誰も持っていないんですよね、特に今の世界では。

 

つまり「もしも玉」に対する説得力が現実的には足りなさすぎるし、ファンタジーとしても弱すぎると思います。

もっと現実寄りか、もっとファンタジー寄りじゃないと、中途半端に訳が分からなくなって、これは自分の物語では無いと思ってしまうかも知れないなと少し感じました。

だからこそ、原作の12歳の主人公たちが駆け落ちをする、という一見ありえない設定が、ある人には凄く現実的に見え、ある人には別世界のようなファンタジーに見え、本作品のキモとなるような絶妙な選択だったんじゃないかと感じたりもしています。

 

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原作ドラマも見て欲しい

 

そんな感想を持ったアニメ版なんですけど面白いのは間違いないので、興味がある方は絶対見に行った方がいいと思います。

そして、アニメを見た方は、むしろ見ていない方も、原作ドラマは絶対見て下さい。

50分ぐらいで見る事ができます。

名作中の名作です。

 

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アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」、僕には十分すぎるほどの幸せがたくさん詰まった映画でした。

王道ファンタジーとしても面白いので、みなさまもぜひ。

原作や、別のタイムリープ作品などの観点からも、色々面白く見られると思いますので、絶対に、劇場に見に行って欲しいです。

 

勝手ばかり長々と失礼いたしました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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