【ネタバレ注意】「言の葉の庭」を見に行ってきたよ!

言の葉の庭

新海誠監督の最新作「言の葉の庭」を見に行ってきました!

僕はこの映画、すごく好きです。

簡単ですが続きに、感想レポレビューなど、色々書いてみました。

 

 

■新海誠監督最新作『天気の子』公開中です。感想を書いております。

 


【ネタバレ注意】
続きに、映画「言の葉の庭」を見た感想を書いています。
あまり内容は書いていませんが、公開直後ということもあり、まだ見ていない方にとってはネタバレになってしまうかも知れませんので注意してください。
ネタバレが気になる方、「言の葉の庭」の内容を知りたくないという方など、絶対に続きを見ないでくださいね。

 

 

 

新海誠監督公式ホームページ
http://shinkaimakoto.jp/

新海誠監督Twitter
https://twitter.com/shinkaimakoto

新海誠作品PRスタッフTwitter
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言の葉の庭公式ページ
http://www.kotonohanoniwa.jp/

言の葉の庭公式Facebookページ
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ぶっちゃけ、今までの新海誠監督作品の中でも、かなり好きです。

僕は「秒速5センチメートル」の第一話「桜花抄」が一番好きなんですが、それとは全く違ったベクトルの好きな作品になりました。

「秒速5センチメートル」「星を追う子ども」とは明らかに違う感じがして、僕は「彼女と彼女の猫」も大好きなんですが、強いて言うならそれがずっと頭に浮かんでいました。

 

螺旋状に外に上に広がって一回転してきた所、丁度「彼女と彼女の猫」辺りの上側でオーバーラップしたような、「秒速5センチメートル」の逆側でアンサーになるような、ここが一つの区切りになるようなそんな作品なのではないかと感じました。

そして、今まで新海監督の作品を見て、もやもやしてしまっていた事の多くが、この「言の葉の庭」によって救われたようにも感じました。

 

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パンフレットも監督始め主要スタッフ声優さんのインタビューなどのほか、実際に作られた靴の写真も載っていてオススメ。エンボス仕様でまさに国語の教科書のような作りになってます
言の葉の庭

バランスもすごくいいと感じました。

タカオとユキノの気持ちとか人物背景を説明し過ぎたり全く説明しなかったり、何も言わせない選択もあったと思うのですが、ベストなバランスだったんじゃないかと感じました。

僕個人的には、「秒速5センチメートル」みたいにあまり色々言わないとか、「ほしのこえ」のように感情を絞り出すのも全然悪くないと思ってるんですが、「言の葉の庭」はそのバランスがすごく良くて、やっぱりずっと続いているんだな、とか色々感じていました。

 

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映像が本当に綺麗で、実写かのような雨や、人物の色使いなどため息が出るほどです。

雨が好きになりそうです。というか雨好きなんですけどね、家にいて雨音を聞いている分には。

官能的なエロさ加減も程良くよかったし、ユキノさんめちゃくちゃ可愛いし。個人的には、御御足はもちろん美しすぎるシーンなんですが、あえて家のシーン全般が好きです!もっというと、家での後ろ姿でしょーが!!足なんて飾りです!エロい人にはそれが判らんのですよ!!!笑

あと、聖地の新宿御苑にも行きたい。本当の新宿御苑はお酒ダメみたいだけど

声優さんのお芝居も素敵で、タカオ役入野自由さん、ユキノ役花澤香菜さんを始め、登場人物全員違和感無かったです。

入野自由さん終始バッチリで、花澤香菜さんも最後ハマりまくってましたよ。入野さんはもちろんのこと、花澤さんの起用理由がそういう狙いだったんだとしたら、すごいですよ。ほんと素晴らしかった。ほんとに。

 

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公式にもあるように、15才の靴職人を目指す少年と27才の女性との物語で、ざっくり言うと、上手く人生を歩けなくなった女性に靴を作ってあげようとする少年の物語なんですが、ただ単に内容やストーリー、物語の結末を書いただけだとこの映画を現しているとは言いがたく、何一つ伝わらないと思うので書かないでおきます。どの作品にも言えることかも知れませんが「言の葉の庭」は特に見てなんぼ体感してなんぼの映画かと感じました。心情などとてもうまく絵や音に現れてて、それは、雨が降ったり、風が吹いたり、暗くなったり、光が差したりといった事を一つ一つ取っても。

漠然とした靴を作るという行為がタカオにとってどういうもので今後どうなるのか、ユキノの状態がどうで今後どうなるのか、そのそれぞれが生きていた物語の過程で、二人の年齢の距離とそれぞれの生活空間の距離、いままでの作品と同じように、この距離が深さや広さになってると思うんですが、それら全部が一瞬だけこの庭園で交わり、映像として現れ、その映像が言葉に変わり心情を細かに現わしているといったように感じました。

題名が「言の葉の庭」というのも、万葉集の歌だけじゃなく、そういうところからも来てるのかな、とふと感じたりしました。

そういう事を全部モノローグ、つまり語りとして言葉で表したり、登場人物にセリフとしてしゃべらせたり、長編にして動きとして見せて膨らましていくことも出来たかも知れませんが、僕はこれで良かったと思います。

やっぱり、言葉に出来ないことはあるよ。本当に、たくさんある。

必要な所でだけ強く語り、あとは語らず絵や音や歌で魅せていくというとても難しいバランスで物語は進行して行き、それが最後辺りで見事にはまった時のカタルシス、浄化具合が見事でした。

ただ、好き嫌いはあると思います。ストーリーがあるあるで柔らかいと感じたり、もっともっとはっきりとした答えが欲しい方もいるかも知れない。主人公二人の気持ちの揺れ幅とか、これからの事とか、どうしてそう思うに至ったかの個人的背景ももう少し詳しくはっきりと表現させても良かったかも知れませんし、反対にモノローグ多めだと感じたり、ある意味ミュージックビデオのように何も語らず淡々と絵だけで進んでいく方が好きな方もおられるかも知れません。

でも僕は、その難しいバランスを乗り切った感じがして気持よかったし、また、46分という長さがそれをするに丁度いい長さだったというのもあると思うし、役者さんの演技や背景絵も寄り添うように「言の葉の庭」の物語を新海監督が絶妙なバランスで仕上げていったのだろうと感じました。

 

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そういう色々を含め、とにかく、すごく先が気になってしまっています。でもそれは語らないほうがいいのではとも僕は思います。

タカオの純粋でひたむきな所や無邪気さはユキノさんが自らの殻を打ち砕くに十分魅力的に写っただろうし、逆にユキノさんの神秘的な美しさはタカオに生きる意味を持たせるほど魅力的に写ったに違いないと僕は思います。タカオが作る靴やユキノさんが口にする万葉集の歌などは、まさにそれを現しているようにも思えます。他にも雨や草木、卵など二人を繋ぐものが色々出てくる。それはその時だけのものじゃない気が僕はしてるんです。ある時間軸で生まれ変わり、ずっと続いていくもののように見える。

つまり、始まりの物語に見えるんです。

ここから、なんですよ。やっと始まるんですよ。だから「愛よりも昔、孤悲のものがたり」なんですよ、多分。

そして、この映画の美しさはここにこそあると僕は思う。

「言の葉の庭」は始まりの物語であり、希望の物語であると僕は思う。

 

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そしてこれは、僕がずっと新海監督作品に持っている感想と同じです。新海監督はこの「言の葉の庭」でも始まりの物語を描いているんじゃないか、と。

「新海誠展」に行ってきたブログでも書きましたが、僕は新海監督の作品にある種の続いていく感覚を常に持っていて、この作品の主人公「タカオ」と「ユキノ」にもこれからの物語があるのだと感じました。それがどうなるのかは僕にも分かりませんが、こうなって欲しいというのはあります。見守っていたいというか。

だからいつも僕は、新海監督の作品の多くを絶望側にとっていません。希望側に受け取っています。

だから「タカオ」と「ユキノ」も、この一瞬の雨宿りを絶対に忘れないと思います。

 

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劇場では「だれかのまなざし」も同時上映されてたんですが、これがまあ泣けた。この作品もめちゃくちゃよかったです。すごく好きです。平野文さん最高。猫可愛い。

この世界観でもう一本作って頂きたいほど。

野村不動産関係の作品のようですのでBD/DVDでの発売などはどうなのか分かりませんが、言の葉の庭との同時上映も合ってたと思うし、単品とか後々の短編集とかでもいいのでBDDVDパッケージ化かネット配信して欲しいな、と思いました。猫つながりで「猫の集会」と一緒に短編集として発売などしてほしいとか思ってしまいますよね。

 

「だれかのまなざし」は、「言の葉の庭」のBD/DVDにも収録されていません。
以前、公式PROUDチャンネルにて公式公開されていたのですが、2014/1/21をもってYoutubeでの公開は終了となったそうです。とても残念ですが、新海監督は「いつか短編映像すべてをまとめさせていただければ・・」とおっしゃっておられたので、それに期待したいと思います。

 

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気が早いですが、次回作が断然楽しみになってしまいました。多分「言の葉の庭」を見られた多くの方もそう思ってると思います。

ぶっちゃけ、安心したというか、馴染んだというか。

僕はもちろん素人なので、今までの作品と何かが違う感じがしたんですが、それが何か分かりません。何かが確実によくなってるんですが、それをうまく言葉に出来ません。映像技術とかももちろんですが、それとは違うもっと根本的な何かです。とにかく、人物描写とか気持ちの深堀とかも、これからももっともっと良くなるだろうなあ、と感じました。

僕個人的には、そっち側にいったらあかんのやろなあ、とか思いながらも、だれかのまなざしの世界観にロボットが出てくるような、痛快ハチャメチャ超ドハッピーエンドの超ド級SFファンタジーアニメーション待ってます!これは結構マジでお願いしたい笑。超短編でもいいからお願いしたい!

言の葉の庭とだれかのまなざしを見ても思いましたが、新海監督、ハッピーエンドの物語絶対得意だと思います。天の邪鬼なんじゃないかと勝手に思ったりしています笑。まあ色々勝手に言って申し訳ないですが、それほど次回作が楽しみになっております!笑

 

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言の葉の庭

ぶっちゃけ、結構泣いちゃいましたよ。ええ。ポロポロ涙でるんやもん。

「だれかのまなざし」でひと泣き。「言の葉の庭」でひと泣き。

BD買って繰り返しみないと。BD/DVD劇場で先行販売してたんですけど、Amazonでポチって、その分もう1,2回劇場いこうかと思ってます

タカオのオムライス

新海誠展に行った時食べた「タカオのオムライス」もちゃんと出てきた。超美味そうだった!

食べ物や飲み物が幾つか出てきたんですが、どれも美味しそうだったねえ

そういや、食事が美味そうなのと、子供が可愛いのと、動物が上手く描けてる映画を好きになる事が多いな俺。「言の葉の庭」と「だれかのまなざし」で全部揃ってた

あと、超個人的なことなんですけど、自分会話劇とか演劇も好きなんですが、なんかそれらに近い印象、芝居とかを思い出す感じも受けました。

 

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新海監督は自らが作る作品の中で、本人がコントロール出来ない強制的な喪失や別離、絶望などを描きそれでも生きていこうや、という希望側に導こうとしていると僕は感じているんですが、それとは違うテーマもあると思いました。

それは、世界は美しいんだ、という絶対的肯定感。

例えば官能的だったり、雑多な物や大きな音、汚い感情や表情、何処にでもある景色や自然、人々なんかも含めて、新海監督には世界はそういうふうに美しく見えているのかも知れません。

それが絵にも現れているのかな、と今回の映画を見て改めて感じていました。

だからこそ、アニメーションである必要があったのかと。

多分、今の世界に絶望している訳じゃなく、彼女と彼女の猫でも言ってるように、目に映る全部、この世界が好きなのかなと。好きだから綺麗に見せたいというか、新海監督自身が見ている世界をどうにか表現したいと思ったとき、自分で世界を彩る必要があったということかと感じています。そういう意味でアニメーションに選ばれている方なんだろうなと、そんなことを色々考えたりしていました。

新海監督は確実に内の世界と外の世界に向かい始めたのだと僕は思います。

 

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言の葉の庭

新海監督はこれからも、男女の心情を写した中短編を期待する声が多く出ると思います。「言の葉の庭」も「だれかのまなざし」も、そう期待されるのは当然だと思うほど良く出来ている作品だと僕も感じました。

でも、あまり深く考えずに次回作に取り組んでいただきたいと思います。「言の葉の庭」も「だれかのまなざし」も、新海監督にしか出来ない世界が沢山みえた作品だと僕は思いました。それは僕みたいな素人でもはっきりと分かりました。

個人的には、ワクワクするファンタジーぽいのがいいなあとか色々勝手に思ったりしていますが、次回作はいい意味での全く新しい新海誠監督作品が見られるはずであろうことは間違いないと思いました。

 

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「言の葉の庭」は描写も馴染みやすく、普段アニメを見ないような方や、新海監督の作品が初めての方でもこの作品からすんなり入り込めるのではないかと思いました。

劇場では毎月1日だけじゃなく、一般大人学生いつでも1000円。本編46分。同時上映の「だれかのまなざし」を合わせても1時間ほどでサクっと見られるのもすごくいいと思います。時間の短さは全く感じませんでした。むしろ充足感が申し分ないです。1000円以上の価値あります。なので出来れば劇場で見て頂きたい。同時上映の「だれかのまなざし」もあるし、大画面だし、デカイ音でも気にしなくていいし

僕は、初日の夕方に行ったんですが、お客様は老若男女で、あとカップルや女性のお客様が多かったように思いました。カップル2〜3割、女性2〜3割ぐらいだったように思います。僕は一人でしたが、一人でも全然大丈夫だと思います。

劇場が近くにない方や行けない方でも、iTunesで同時公開されていて、今日、購入してすぐ何回も見ることができるのもとてもいいと思います。おまけに、劇場でBD/DVDが先行発売されていました。こういう試みもすごく素敵です。

個人的には、1000円でサクっと短編を見られるというのが劇場に行くハードルをかなり下げていると思うので、沢山の人が劇場で見られるように、拡大公開されて欲しい作品です。というか、時期を逃さぬよう期間限定とかでもいいので今すぐ拡大公開するべきだと思いました。劇場、配給会社様には是非柔軟なご対応をお願いしたい所です。劇場が遠い方だと、交通費だけでBD/DVD/iTunes買えるぐらいかも知れませんし、こういう作品こそ劇場向きだと思いますし。

もちろん新海監督作品が好きな方も、とても楽しめると思います。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

勝手ばかり長々と申し訳ありませんでした。あまりに素晴らしく、溢れる気持ちを書きなぐってしまいました。

本当に素敵な映画なんです。

気になってる方、迷ってる方は、絶対に観たほうがいいと思います。是非。

「言の葉の庭」「だれかのまなざし」本当におすすめです。

少し疲れている方や何かに迷ってる方、何かを創ったり何かを目指している方とか、すごく沁みる映画だと思います。

みんな劇場で観ればいいと思うよ!

新海監督を始め、関係者の皆様、素敵な作品をありがとうございます。

雨に心が洗われたようで、いつもの帰り道が色づいて見えたような気がしました。

 

photo
@manabehirotsugu

 

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