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【ネタバレ注意】実写版「秒速5センチメートル」の感想。夢が叶わなかった人はその後どうなるのか。

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

 

【ネタバレ注意】実写版「秒速5センチメートル」の感想を書いておりますが、未視聴の方にはネタバレになっている可能性がありますので、ネタバレが嫌な方は絶対にこの先を見ないでくださいね!

 

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昔見たドラマ「初恋の悪魔」で、

『一番欲しいものが手に入らなかった人は、もう、他になんにも欲しくなくなってしまう』

というような言葉があった。

 

アニメ「葬送のフリーレン」では『今生の別れってのは、何も、死別だけじゃない』という言葉もある。

そのアニメに出てくる、人より長く生きてしまうエルフは何度も死別を経験しているだろうが、そうではない別れのことをどう感じるのだろう。

 

秒速5センチメートルは、死別ではない今生の別れはとは一体何なのか、それは希望なのか絶望なのか、その時あなたは本当に"大丈夫"なのか、という問いに答えを出そうとする物語だと思う。

恋愛話ではあるけれど、人は何のために生きているのか、や、人生観や死生観を問うような作品だとも思う。

その結論は観客に委ねられているのではないか。

 

僕の今の結論は、それは夢が叶わなかった未練であり後悔であり、それはある意味で死そのものなので"大丈夫"ではない、が、希望はある、だ。

 

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新海誠監督作品「秒速5センチメートル」奥山由之監督の実写版を観に行って来ました!

簡単ですが、感想を書いておきたいと思います。

 

ざっくりした感想の結論は、

  • 役者さん全員マジ凄すぎる!それだけでも観る価値あり!
  • 映像が綺麗で情緒に溢れており趣があって好みだった
  • 時代背景1990年〜2000年台のやや平成レトロ感?も凄く良かった
  • 原作からの追加部分も割と納得できた
  • 桜花抄とコスモナウトの映像化実写化としてこれ以上のものはない
  • 最後の結末については個人的には思うところあり
  • 映画(エンタメ)として満足できる作品なのでぜひ観て頂きたく思います

です!

 

あと個人的には、実写化という長年の論争?に一石を投じる傑作だと感じています。

特に、役者さんが全員マジで凄すぎるので、ぜひ観て頂きたく思いました!

 

実写版「秒速5センチメートル」の感想

新海誠監督作品

 

自分は新海誠監督作品のファンで、実写版「秒速5センチメートル」を凄く楽しみにしていました。

だからこそ、原作は原作、実写は実写という感じで一歩引いて観られると思っていたのですが、全くそんなことはなく、ある種自分ごとのように物語に入り込んでしまいました。

 

よくある?「秒速5センチメートル」の感想で、暗い男の話、、みたいなのがあると思うのですが、確かにそういう風に考えてしまう面はあるかも知れないな、と思います。

 

ただ個人的にはそういう雰囲気の男の人の物語ではある面は否定しないけど、

単純に『死別でなく生存が確認されている大好きな人ともう一生会えない物語』であり、自分たちの思い出などに照らし合わせながら、その先の『希望』や『絶望』を物語るような作品だと思っています。

 

つまり、"大好きだった人が自分の世界から'だけ'いなくなってしまった人生"に希望を持つことができるのか、本当に『大丈夫』なのか、です。

つまり一言で言うとタカキは、夢が叶わなかった人、なんだと思います。

 

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ちなみに、アニメ原作版は全く『大丈夫』ではない物語だと思います。笑

原作のアニメでは、その希望的なものはほとんど全く示されていないと思いますので、「コスモナウト」パートも含むと、世の男性だけでなく女性をも何度も打ちめして来ており、それでこそ「秒速5センチメートル」だ!と考える方も多いのではないかと思います。

 

ただし実写版では、希望的に考えることは可能だと思いました。

それが救いになるのかどうかは意見が分かれるかも知れませんが。

 

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何より僕が感動したのは、役者さんの素晴らしさと画作り。

役者さんの凄さも相まって、画作り音作りも情緒に溢れていました。

 

その事から映画に集中することができ、ある種、思い出に浸っているような、極めて個人的な物語のように感じられる面もあったり、全然自分の物語として考えられない人もいるだろうし、様々な意見が出るであろう作品だと感じました。

 

今回の実写化のストーリーは原作アニメの三つの短編「桜花抄(おうかしょう)」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」が重なり合う様に進んでいくので、少し、分かりにくい部分があるかも知れません。

原作アニメを見ていくのも一つの手だと思いました。

 

最初の方に書きましたが、暗い男の話、、みたいに感じる方も沢山いらっしゃるだろうし、原作アニメの様に打ちのめされている方も沢山いらっしゃるのではないかと感じました。

僕は思いっきり後者ですが笑、希望はあるのではないかという観点でこの感想を書いています。

 

なので、当たり前かも知れませんが、アニメの原作版と今回の実写版は明確に違う作品のような気がしています。それで正解だったとも思います。

タカキの死にも似た絶望は誰にも話せないもののように思うし、アカリにとってもそれはいまだ取りに行けない思い出のような気がしており、アニメもそういう解釈をしているのではと考えていました。

なぜ、タカキの経験は死にも似たものなのか、なぜそれほどのものなのか。

それは、すごく単純でシンプルに大切で特別だったからだと思います。

他に変わるものがないからなんだと思います。

それは、この先に、それと同じような感情を想うことができない人生に生きる意味はあるのだろうか、とまで感じるほどの。

 

今回の実写版では、その死にも似た絶望を話せる人が出てきたり、過去の人物とも接点があったりして、うまく言えませんが、アニメ原作よりは現実的というか希望的な雰囲気があるような気がしています。

それは大切で特別じゃない、という事ではないと思います。

人生には救いがある、だから死んではいけない、といったようなある意味でのこの実写版特有のメッセージのようなものなのだろうと僕は感じました。

 

上記は自分の一意見にすぎませんが、そんなこんなで映画を見て頂くと、人により感じるものが全然違う作品だと肌感覚で理解できるのではないかと思います。

アニメ原作ともまた違うので、この自分の感想含め誰かの意見はあまり当てにならないかもしれません。

だからこそ、どう感じるか楽しみな面もあると思いますので、気になっておられる方はぜひ見て頂きたいと思いました。

 

役者さんが凄すぎる

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遠野貴樹役の松村北斗さんはタカキ役にぴったりだと思いました。

普段のご活躍はテレビで拝見する程度ですが、ただ、そういう忖度?を抜きにして、雑音感なくしっかり映画に入り込むことができたので、凄く安心しました。

 

とっても難しい役だったと思うのですが、はまり役だと思いました。

 

たこ焼きのシーンや、最後のプラネタリウムでのシーンなどは、タカキの葛藤そのもの、納得できない感情や何だか良く分からない独特な感情、などが松村さんご本人の中にも同様にあったのではないかと思うほどです。

 

このブログの最後にも書いたのですが、その答えの出ない感情は自分も感じていました。

だからこそ、観ている者にもその感情が伝染し、こんなにも後を引く作品になったのではないかと思います。

 

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大人になった篠原明里(アカリ)役の高畑充希さんも良かったです。安心しました。

原作アニメではあまり出てこないのですが、実写化ではかなり出てきます。

だからこそ難しいことばかりだったと思いますが、自分は見ていて、自分が思っていたアカリそのものだったと思います。

受け答えの柔らかさや時折見せる可愛らしさなど、個人的にアカリそのものだと感じたので、とっても安心して見る事ができました。

実はアカリ役に少し心配していたのですが、最初の映像が出た時に「よし!」と思いました。

 

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それから、なんせ、高校生時代の澄田花苗(カナエ)役を演じた森七菜さんがマジでヤバすぎでした。

多分、多くの方が同じ様に思ったと思います。

それだけでこの映画を見た価値があったと思いました!

何から何まで恋している人という感じなのですが、言葉では説明できない凄さです。

絶対に観て頂きたく思います。

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天気の子で天野陽菜役も凄くよかったですよね。

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それから、幼少期の篠原明里役の白山乃愛さんも凄く良かったです。

原作の桜花抄の全てのシーンが大好きなのですが、どれも完璧に再現していて、さらに追加要素もアカリそのままで敬服しました。

これも観て頂かないと良さが伝わらないと思います。

本当に凄かったです。

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タカキの幼少期の上田悠斗さん、高校生時代の青木柚さんもタカキそのもので感動しました。しっかり映画に入り込むことができました。

リサ役の木竜麻生さん、原作アニメではほとんど出てこないのでとっても難しかったと思いますが、表情など素晴らしくて素晴らしかったです。他の役者様同様、役そのものを捉える感覚が強い方なのかも知れません。信頼です。

 

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雲のむこう、約束の場所の藤沢浩紀役でもあった、館長役の吉岡秀隆さんも凄く良かったです。よかったですほんと。唯一の良心?みたいな感じでした。

その他、宮崎あおいさんをはじめ他の俳優の皆様も全員が凄く良かったです。

 

自分を含む原作ファンの皆様がもし心配されていたりするなら、それこそ大丈夫だと言いたいと思います。

特に、森七菜さん白山乃愛さんに関しては、絶対に何らかの映画の賞をプレゼントして下さい。

邦画界の宝そのものだと確信しました。

今後のご活躍が楽しみです!

 

物語の最後の部分について

最後になりますが、ストーリー自体は特に問題ないし、何も言うことはないのですが、一つだけ思うことがあって書いておきたいと思います。

 

それは、"大好きだった人が自分の世界から'だけ'いなくなってしまった人生"に希望を持つことができるのか、本当に『大丈夫』なのか、に関してです。

つまり、夢が叶わなかった人はその後どうなるのか、です。

 

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自分は最後、タカキとアカリは、あの桜の木の下でなくても、出会うべきだと思いました。

つまり、ハッピーエンドが良かったです。

 

でも、そんなことはありえない。

わかります。

現実的ではないかも知れませんし、なんせ「秒速5センチメートル」の実写化なのですから。

 

これがリメイクとするなら、最後の変更もありえたかもですが、最後出会ってしまうとそれはそれで大炎上してたと思います笑。

だからこれはこれでよかったのだ、ということはちゃんと理解しています。

 

ただ、それでも自分は、アカリとタカキはもう一度出会ってハッピーエンドで未来に向かう様なそんな最後が見てみたかったです。

 

アニメが上映された当時は出会わないという流れで納得だったと思いますが、今の時代だとハッピーエンドでもいいのではないかとも感じています。

根拠はありませんが、何となく個人的に勝手に時代的になのか、そう強く感じてしまいました。

 

ハッピーエンドと言えばいいのか分かりませんが、タカキとアカリこそ改めて一緒に何かをするべきのように感じてしまいました。

例えば、タカキとアカリ二人で一緒に星を見に行ったり、一緒に乗る事が出来なかった電車に乗ったり、好きな本を紹介しあったり、そういう事をして欲しかった。

そういう二人も見てみたかったです。

そういうのがタカキの夢だったのではないか、と思うほどです。

 

でも、アカリの夢はすでに叶えられているんですよね。

なぜなら、アカリはタカキがいなくても十分幸せだったのだから。

 

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なんでこんなことを最後に書いているかと言いますと、

僕は、タカキはこのままでは幸せになれるか心配なのです。

僕は、タカキに幸せになって欲しい。

 

この先に、タカキが誰と出会うのかはわかりませんが、やっぱりタカキは今後誰かと出会う時にやっぱり「大丈夫」であるべきなんだと思います。

それがアカリではなくても、仮に、何百万が一の確率で、さらに未来のアカリであっても。

 

そのためには、その時が来た時に「大丈夫」な人になっていなきゃいけない。

それが最後のシーンの想いなのかな、と自分は感じています。

 

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しかし、それは同時にアカリの不幸を願うようにも思えてしまう。

実際、そうなのでしょう。だから、誰もその方向へは大手を振って語れない。

 

だからこそ、やっぱり、タカキは自分の人生に戻る日が来たんだと思う。

アカリの人生ではなく。自分の人生に。

 

タカキの今のさらに未来に、0.000000…何%の確率でアカリがいようが、アカリ以外の誰かがいようが、もしや誰もいなかろうが、タカキは一旦、自分の人生に戻り、自分の人生を取り戻し、自分の人生を生きるべきだと思う。

 

それこそが、タカキ自身が言っていた「大人になったアカリに偶然どこかで再開しても、恥ずかしくないような人間になっていたいと思っています。」という言葉そのものなのではないかと思う。

強くなるとは、つまり自分の人生を生きるとは、そういうことなのではないか。

いや、確かにこの言葉はアカリに対する言葉で、まだその時のタカキはアカリの人生を生きているが、とにかく、まずは自分の人生を取り戻すために必要な言葉だとも思う。

 

そして、最後のプラネタリウムはアカリの夢がタカキの夢ではなかったと知った日。

自分の夢が一生叶わないかも知れないと知った日。

だから、届かない星を見て、一生会えず、離れゆくボイジャー1号2号を見ている。

 

もう一度、ちゃんと言っておきたい。

だからこそ僕は、絶対に、タカキは幸せになるべき人だと思う。

なぜなら、僕たちは、幸せになるために生まれてきたのだから。

 

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今すぐ大人になる必要はない。今すぐ強くなる必要はない。まずは自分の人生を生きるべきだ。

アカリやタカキ、ハナエやリサがどうという事ではなく、それぞれが幸せになるどんな可能性もゼロではないからこそ、皆がそれぞれ自分が思う最善の幸せになることを諦めないで欲しいと心の底から思いました。

そもそも、大人にも強くにも一生なれないかも知れない。

だからこそ、誰かの人生ではなく、まずは自分の人生を生きるべきだと思う。

その先で、もしくはそれと同じように同時期に誰かのためにも生きる事ができるなら、そんな素敵なことはないだろう。

実は「秒速5センチメートル」はそういう物語だったのではないか、と勝手に感じていました。

 

それは、諦めではなく、しょうがないということではなく。

未来は、そんなちっぽけな僕たちさえも救ってくれるほどに素晴らしいものであると、そう信じていたいです。

 

叶わない夢の先にある生きる道も自分の人生であり、そこで起こる数々の日々を通じて、また夢が叶うかも知れない確率を高め続けることこそが生きることそのものなのかもしれない。

諦めないことが生きることそのものなのかも知れない、とそんな風にも思いました。

自分の人生に戻る、自分の人生を生きる、ということは諦めることとは違ってむしろ絶対に諦めないことを選択し、そう決意することと同じなのではないかと思いました。

 

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秒速5センチメートル

感想は以上になります。

 

新海誠展などで作品などを拝見させていただく度に、新海誠監督が創作を諦めなかったからこそ、僕は今も素晴らしい数々のエンターテインメントに触れる事ができています。

そして、奥山由之監督も同じ様に創作を諦めなかったからこそ、僕をこんな素晴らしい作品に出会わせて下さったのではないかと思います。

役者様やスタッフ様、関係者様も同じ様に、本作品との出会いは諦めなかった結果なのかもれないと思いました。

 

僕も諦めないでいられるなら、その先に素晴らしい世界が待っているのかもしれない、とそんなことをずっと考えていました。

新海誠監督、奥山由之監督始め役者様スタッフ様関係者様、皆様、素晴らしい映画をありがとうございました。

感動しました。

たくさん泣きました。

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