さて、映画けいおん!を見てきました。
一言で言うなら、とてもとても幸せで愛に溢れた映画です。
僕はこの映画、大好きです。
感想をどう書こうか迷いましたが、
ネタばれも含んで、超個人的感想レポートレビューなど書いてみることにしました。
映画を観るまでは内容を知りたくないという方、
個人的感想が苦手な方は、絶対に続きを見ないで下さいね!!!
映画けいおん!とは
●映画けいおん!公式ホームページ
http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/index-j.html
下記に少々引用させていただきます。
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「放課後リターンズ!」
「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、
桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、
バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。
そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、
唯たちも卒業旅行に行こうということになる。
そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、
くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。
ということで、アニメ版の「けいおん!」が映画化され、2011年12月3日に公開されました。
軽音楽部に所属する女子高生達の日々を追った作品です。
非常に人気のある作品で、僕もテレビ版をかかさず見ていました。
また、日頃から「Don't say Lazy」や「プロローグ」などのけいおん関連の楽曲をカバーさせていただいているほど大好きな作品です。
ここから本格的にネタばれします。まだ映画を見ていない方、ネタバレされたくない方、注意してください。ネタばれしてもいいという方のみ下にスクロールして下さい。
一番「けいおん!」だった、映画「けいおん!」
最初の数分でこれは良さそうだぞ、と感じました。
期待半分、不安半分ぐらいの気持ちで観に行ったのですが、僕にとっては全く期待を裏切らない作品でした。
単純にめちゃくちゃ面白かった。
いつものけいおんがそこにあり、いつもの登場人物、いつもの放課後ティータイム、いつも雰囲気。
それをそのまま120分弱の映像にしてパッケージしたという感じです。
言わば、僕が見た「けいおん!」の中で一番「けいおん!」ぽかった映像作品が、映画「けいおん!」でした。
「けいおん!」を見たことがある方は、特に見に行って欲しい作品だと思いました。
かなり楽しめると思います。
一期、二期を見返したくなりますし、その後また映画を見たくなると思います。
というか、すでに僕ももう一回映画を見たいです。
もちろん、けいおん!が初めての方でも楽しめると思います。
とにかくキャラクター達は動きまわるししゃべりまわるし、背景や映像、楽器も丁寧に書きこまれているし、ストーリーもロンドンへ行って帰ってきて、、、という非常に分かりやすいものなので。
ですが出来れば、テレビ版を見て、登場人物達の立ち振る舞いを知ってから見られた方が、更に楽しめると思いました。
主人公達はロンドンへは行きますが、映画ならではの!!!!!!みたいなことは全く起こりません。
なので、例えば悲しい事件や派手なアクションを求めている方には向かない映画かも知れません。
僕は始まってすぐ、安心しました。
いつものけいおん!だったので。
いつものように、美しい景色が愛くるしい登場人物たちをのせて淡々と物語は進んでゆきます。
そういう意味では、なんというか、子ども達の成長を撮り続けている映像作品みたいな感じでしょうか。
とにかく、僕にはすごく、愛に溢れた作品だと感じられました。
安っぽい言い方になってたら申し訳ないです。
でもそういう言い方しか浮かんで来ないんです。
人物や風景など色んな描写から、創り手の方々皆様の愛が伝わってきていました。
登場人物達は非常に生き生きとしてるし、非常にこまかい動き、例えば手や服、髪の毛などの動きの演出やカットなど、たぶんすごく気を使っておられると思います。
難しいことは分かりませんが、すごく伝わってきます。本当に。
テレビ版では、後輩である中野梓視点からの感じでしたが、映画では、平沢唯、秋山澪、琴吹紬、田井中律4人の先輩達から見た視点での感じで描かれていました。
いろいろな場面がテレビ版とリンクしており、例えばテレビ版で選んでいた小物を映画で使っているとか、テレビ版で言っていたことが映画で繋がるとか、裏側ではこんなことが起こっていたのか、とか、こんな事を考えていたのか、ということが分かります。
その他、つかみや小ネタの数々も散りばめられていて、各キャラクターの立ち振る舞いが何度も笑いを誘います。
事実、劇場で何度も笑いが起きていました。
そして、後半はそれが涙する音に変わっていきました。
僕はこの頃には、もうスクリーンに釘付けでした。
上映が終わると、感激の声や、やばいやばい、といった声がたくさん聞こえてきました。
僕も同じです。本当に素晴らしいアニメーション作品だと感じていました。
僕がいい、と思った箇所をあげるとすれば、冒頭の掛け合い、タクシーでの平沢唯、ロンドン行きが決まったときの秋山澪、ライブ演奏時の琴吹紬、ラスト前屋上での場面からラストシーンラストカットまで、ED曲とその映像です。
特に、ロンドン行きが決まったときの秋山澪、ライブ演奏時の琴吹紬を見たときは、自然と涙が出てきました。
多分泣くシーンでは無いと思うのですが、なんだか見ているこっちがうれしくて。
そして、ラスト前の屋上でのシーン。
今度は、もう、ぼろぼろ涙が出てきてしまいました。
なんというか上手く言えないのですが、とてもとても心が暖かくなって。
とても幸せでした。
その屋上、4人で輪になって肩を寄せ合い向い合うシーンで平沢唯がある言葉を言い、それにみんな同調するのですが、僕はその言葉が聞けて、本当によかった。
その、つい本音が出てしまったかのような、ほんの些細な言葉。
でも、本当に本当に素敵な言葉。
僕は「けいおん!」は、本当は最初からこの言葉を見つけるための物語だったかのように感じました。
「今までで・・」
その言葉が何なのかは、是非、映画を見て、映像と共に感じていただきたいと思います。
この屋上でのシーンは、本当に心に突き刺さるものがありました。
その時の背景や音楽、各キャラクターの動き、手や足の動きなどの細かい描写も非常に素晴らしく、とにかく最高に素敵なシーンです。
本当に心に響きました。
なんか本当に、上手く言えてなくてすみません。
とにかく、そんな映画でした。
感情移入してしまって、冷静に判断出来ていないのかもしれません。
でも、これが先日見たばかりの映画「けいおん!」に対する僕の正直な感想です。
僕はやっぱり泣いてしまいましたが、これは、無理やり泣かせるような演出になっている訳ではありません。
映画では、演出に非常に磨きがかかっている様に思いました。
淡々とした日々の流れの中から、その人自身にとっての何かに気が付くというささいな描写や演出がとても美しい。
それは各キャラクター達が見せる大きくとも丁寧な動きやセリフ、背景から音楽など、すべてが合わさって、それらは本当に本当に素晴らしい、心に響くシーンとなって現れています。
これは、やはり山田監督のカット割り、アングルなどの演出の取捨選択センスが非常に優れていることの表れではないかと思います。
そして、それを可能なかぎりキャラクターに表現させる作画監督、土台を据える背景美術の方々も本当に素晴らしいです。
だからこそ、映画にするべき作品だったんだ、と感じました。
ロンドンでのシーンも綺麗でしたし、シナリオもロンドンに行ったらこういうことが起きるのではないか、というベタベタなことは起こらず、そういう時は、ある意味で不思議なことが起こりえるものだというのを上手く現していたと思います。
僕は、個人的にはロンドンにさえ行かなくても良かったんじゃないか、とも思っていますが、何もなくて良かったんじゃないか、と思えるほど、登場人物達がそこにいること、そのものが描かれて安心できる演出、シナリオとなっています。
無理に描いている感じもないし、作られたものでもない感じで、とにかく、登場人物が勝手に動きまわってるといった印象です。
けいおん!を見たことがある人はとにかく観て頂きたい作品です。
最高の映画です。
まだ「けいおん!」を見たことがないというかたは、出来ればTV版を見てから、映画を見られたほうがより楽しめると思います。
もっとタイトに出来たという部分もあるかも知れません。
もっと強弱があっても良かったとも思うし、何かしら場を引き締めるアイテムのような、細工のようなものがあっても良かったとも思います。
が、例えば、過去現在未来の時間軸を意識しているであろう時計や飛行機の使い方、丁寧に描いてきた、いつもの登場人物達を解放させ、ある意味では"らしくない"本音を語らせる屋上の演出など、素晴らしいシーンの数々は、今後を大いに期待させる作りになっていると思いました。
実は、上に書いた平沢唯の発した言葉から、この映画で「けいおん!」というアニメ作品は最後かもな、ということを感じました。
その言葉、そしてこの映画があまりにも美しかったからです。
これは僕の希望でもありますが、特に発表はありませんでしたが、三期、もしくは何らかの映像作品がこの先も続いて欲しいと、僕は今回の映画を見て更に強く感じたのも事実です。
なので、いままでの「けいおん!」とこれからの「けいおん!」をわけるに相応しい、重要なポイントとなる映像作品かもしれないな、と。
だからこそ、高校生時代の登場人物達をさらに深く描ききる必要があったのではないかと感じました。
一期、二期は深夜放送となっていますが、例えば、夕方やお昼の時間に移行する、映画を数年に一度定期的に発表するなど、全く違った形での継続などもあるのではないか、とも感じました。
僕は、原作も持っていますし、好きです。
原作では、平沢唯達の大学編、中野梓達の高校編と別れての連載となっており、いままでとは、全く違った流れとなるかもしれません。
とにかく、原作ともに映像作品も今後に期待したい作品です。
そういえば、ライブセッティングがカッコイイんですよ。
スピーカーで音を取るマイクの位置だとか角度とかも僕は詳しくないのですが、見たことあるなと思っていたら、やはり、プロの方にセッティングしてもらったものをそのまま描かれているみたいですね。パンフレットに細かい指示書?みたいなのが描いてありました。
特にギターは、Marshall直差しのように見えたんですけど(違ったらごめんなさい!)、とにかくカッコ良すぎるでしょ!!と、思いました。
ライブでの出音もちょっと変わってる?と思ってたら、やはりそれも新たに撮りなおしされてたそうです。
本当に、素晴らしいです。
僕は、主人公の平沢唯がやや前かがみで演奏、歌う姿が好きなのですが、それも健在で嬉しかったです。
平沢唯の持つギターは、かつて僕も同じメーカー(Gibson)のギターを持っていたのですが、とても重いギターです。
なので、それもあって前かがみになってしまうのかも知れませんが、僕は何故かそれが好きなんです。
ギターなどの楽器も非常に丁寧に描かれているので、そういう視点で見ても面白いと思います。
また、服装なども素敵です。
僕はまったくファッションには疎いのですが、まさに各登場人物が着そうなものを着ているんです。
いつも感心してしまいます。
普通なんだけどめちゃくちゃ似合っています。
衣装や小物のすべてがとても可愛いです。
これもパンフレットに載っています。
その衣装や小物を使っているED曲の映像が、また素晴らしいです。
必見です。必見。
制作陣の方々はほんとうに凄いです。
EDの映像は見所の一つだと思います。
早く家でゆっくり見たいです!
BD/DVD化の際は、是非ディレクターズカット版を見てみたいです。
シナリオをかなり削ったとパンフレットに書いてありましたので。
TBSでやってたけいおんの紹介番組もみたんですけど、スタッフの方々で、シナリオハンティングにロンドンに行ってらっしゃったということで、たくさんアイデアが溢れていたのだろうと思います。
美しいロンドンの景色も、心にじんわり響きました。
パッケージ化の際は家で時間を掛けてゆっくりみたい作品でもありますね。
大好きなことを等身大で表現し続けているのは映画の登場人物だけじゃなく、監督を始め制作スタッフの皆様、役者の皆様、関係者の皆様も同じなのかもしれませんね。
大好きなことを、当たり前に大好きなんだと言いきってしまっていいんだと、改めて感じさせてくれるとてもいい映画です。
感情を爆発させる登場人物達が、本当に魅力的で、なんだか、そこに、まっすぐな強ささえも感じましたよ。
なんというか、母親の愛みたいな。
「映画けいおん!」本当にオススメです。
落ち着いたら、もう一回観に行きます。
少しお土産を
で、グッズが売ってたので、少々。
パンフレットです。800円。
制作サイドからは、京都アニメーション山田尚子監督、脚本をされた吉田玲子さん、キャラクターデザイン/総作画監督の堀口悠紀子さん、音楽プロデューサーの小森茂生さん、磯山敦さん、プロデューサーの中山佳久さんのインタビュー、
声優の方は、平沢唯役の豊崎愛生さん、秋山澪役の日笠陽子さん、田井中律役の佐藤聡美さん、琴吹紬役の寿美菜子さん、中野梓役の竹達彩奈さん、山中さわ子役の真田アサミさん、平沢憂役の米澤円さん。真鍋和役の藤東知夏さん、鈴木純役の永田依子さんのインタビューなどが載っており、とても内容が充実しています!
パンフレット内に来館記念のスタンプを押す場所が。
小中学生達を尻目にドヤ顔で押してきたよ!笑
しおり。500円。この衣装がED曲の映像になってます。このしおりも素敵ですが、
映画館で見たED曲の映像もすごくいい感じです。PVみたいでした。必見。
これはマグネット。1000円。マグネットいつも記念に買うんです。これから冷蔵庫に付けてきます
もしかすると、もっとグッズがあったのかもしれません。売り切れているものがある感じでした。
今回、前売り券を使わせていただきました。1300円。並んだかいがありました!
前売り券って、いいですね。なんか上映までのワクワクが日増しに強くなっていく感じが!
あとがき
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
ここからはあとがきです。僕の個人的な体験も含んで感想を。
僕も少々音楽をやらせていただいています。下手の横好きですが笑
けいおんは、曲から入ったと言えるかも知れません。
軽音楽部のアニメがはじまるのか、と言った軽い感じで見始めた「けいおん!」。
一期でエンディング曲「Don't say lazy」がかかったとたん一発で好きになってしまいました。
速攻、歌ってる方を調べたり、もう、大変でした。
本当に、歌詞も曲も編曲も演奏も歌声もすべてが最高にカッコイイです。
今回の映画でも楽曲の良さが際立っています。
特に、ED曲は映像の素晴らしさも含んで最高です。
音楽が持つ強さを改めて感じました。
今回の映画をみてもそう思ったんですが、音楽は、音楽以外の部分から出来ていると日頃から思っていた僕は、それこそが、けいおん!という作品に惹きつけられた原因かもしれないと感じました。
人を描くこと自体が音楽を奏でていて、本当に人物の描写が素晴らしいんです。
誰かのために何かをしたりといったことは、半径数メートルの中で起こることであり、日々の生活から溢れ出るものであったり、それを支える安心感であったりすると思います。
それが日常か非日常かはどうでもよくて、誰かにとってのすべてがそうした日々の連続だと思います。
他の人達にとっては非日常的であっても、です。
だから、誤解を恐れずに言うなら、原作けいおん!に出てくる登場人物達の日常をテレビ版で描き続けて、今回も何も変わらずそのまま描き続けている「映画けいおん!」は、ある意味では、けいおんのファンのために創られた非常にマニアックな作品だとも言えるのかも知れません。
もっと言うと、けいおんの登場人物たちが大好きな人達が創り上げた、けいおんの登場人物たちをただ淡々と追っている映像作品だとも言えるのかもしれません。
映画かどうか、という事より、ドキュメンタリー作品だと感じました。
それはまさに、監督が言われていたこと。
でも、それこそが、僕が見たかった「けいおん!」そのものだったのです。
劇場には、お一人の方、お友達同士だと思われる方、カップル、ご家族連れの方々や若い人達、小学生や中学生と思われる方々も男女問わず多くの方々が来ておられたのもとても印象的でした。
もしかすると、それが一番驚いた事かもしれません。
劇場で、家族連れや親子の方々が、グッズを選んだり、プリクラを撮ったりされている姿を見て、非常に幸せな気持ちになりました。
色んな人の感想が聞いてみたくなる映画ですね。
とにかく、映画「けいおん!」はとても素敵な作品です。
今、この作品を見ることが出来て、僕はとても幸せです。
かきふらい先生、監督を始め制作スタッフの皆様、役者の皆様、及び関係者の皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。
眞鍋 弘嗣 ( @manabehirotsugu Hirotsugu Manabe)
おさらい
●映画けいおん!公式ホームページ
http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/index-j.html
●P.S. 僕個人的には予告編より、映画化発表の動画のほうが、今回の映画を表しているようで好きです。
当日、テレビで見てて死ぬかと思うぐらい歓喜しました。
今思うと、この瞬間が最絶頂だったと感じています。
●P.S.2 真鍋和さんのキャラソン「プロローグ」カバーさせていただいています
https://manabeya.com/?p=523
●P.S.3 僕は、「けいおん!」のテレビ版で、二期の「またまた学園祭!」最終回「卒業式!」はもちろん「残暑見舞い!」や「受験!」、特に一期の番外編「冬の日!」の雰囲気が大好きで、これはやべえ、どストライクだわ、、と思っていました。
テレビ版をまだ見られていない方は是非。
で、映画を見たときの良さも久々に特別で、大好きな宮崎駿監督のジブリ作品を見たときと同じほどのめり込んでしまったのですが、それにしても感情移入し過ぎ、冷静にならないとちょっとおかしいぐらいだわ自分、と映画を観ている自分に戸惑っていたのです。
でも、調べてみたら「卒業式!」「冬の日!」も、演出は山田監督(と北之原さん)、脚本は吉田さん、作画監督は堀口さんの、映画と同じメンバーだったんだと知って、のめり込み過ぎてる原因が少し分かって、なんだか安心?しました。笑
つまり何が言いたいかというと、監督始め、京都アニメーションやばいです。奇跡のバランス。名前も良いし。次世代筆頭。
●P.S.4 年末に2回目を見に行きました。今度は冷静に見られましたが、やはり感想は何一つ変わりませんでした。本当に、いい映画だと思いました。
後世に残る映画だと僕は思います。