【ネタバレ注意】青春恋愛映画の傑作。ずっと言えなかったこと。「たまこラブストーリー」の感想。
「たまこラブストーリー」の感想です。
青春恋愛映画の傑作。
たくさんの人に見ていただきたいです。
<追記>
「たまこラブストーリー」の山田尚子監督の最新作『聲の形』の感想も書いてみました。
By always thinking unto them.
年がら年中、そのことばかりを考えていただけです。
アイザック・ニュートン
たまこラブストーリー観に行ってきました。
いやあ、まいった。完全にやられた。
間違いなく、恋愛青春映画の大傑作にして、山田監督の最高傑作。
「たまこラブストーリー」とは、昨年テレビにて放送されていた「たまこまーけっと」というアニメーション作品の続編にあたります。
たまこまーけっとは、とある商店街のお餅屋の娘、北白川たまこ(きたしらかわたまこ)を中心とした、ハートフルな物語でした。
この度、その、たまこのお餅屋の向かいにある、これもお餅屋なんですが、その息子であり幼なじみである、大路もち蔵(おおじもちぞう)とのラブストーリーが主になっています。
お客様は、女性の方が多く感じました。僕がいった回ではパッと見、半分ぐらいが女性だったかもしれません。
もちろん男女問わず、前作「たまこまーけっと」が好きな方はもちろん、同、山田尚子監督作品の「けいおん!」が好きな方、京都アニメーションの作品が好きな方、見に行こうか迷っている方も、みなさんに観に行って頂きたいほどでした。
あとこれは、劇場版「たまこまーけっと」ではなく、「たまこラブストーリー」という完全新作と受け取っていいと思います。
テレビにて放送されていたアニメ「たまこまーけっと」を見ていなくても、全然大丈夫な作りになっています。だから、前作を見ていない方も、安心です。
ある意味で、前作本編を見ていない方の為に、最初に同時上映の南の島のデラちゃんが始まって、場を温めてくれるのだとも思います。同時上映も必見です。
ただ、僕は「たまこまーけっと」が大好きだったので、この「たまこラブストーリー」とは、万有引力が如く、惹かれあう作品だと思っています。お時間のある方は、是非、前作「たまこまーけっと」もご覧になってみてください。より、各登場人物への理解が深まると思います。
全話大好きなんですが、たまこラブストーリーにより繋がりがありそうなのは、第2話、第3話、第5話、第9話辺りでしょうか。第2話は、みどりちゃんのお話でかんなちゃんもいますし、第3話は、たまことしおりさんが仲良くなるお話、第5話はもち蔵とかの話、第9話は、たまこの両親のおはなしです。どれも想いが深く素敵なお話ばかりです。どれかって言うなら、9話かなあ。
ていうか、全話繋がってるから、全話観て欲しいなあ。たまこまーけっと、ほんと最高なんだよ。
そういや、たまこまーけっとの感想もブログに書いてて、そこにも書いてるんですけど、3話がめちゃくちゃ好きで、その演出をされた方が、小川太一さんという方で、今回のたまこラブストーリーにも演出で参加されていたんですよね。
なんかそれも、嬉しかったなと思って。
とにかく、「たまこラブストーリー」は、実写の恋愛映画や恋愛ドラマ、青春映画が好きな方にもすんなり入って行ける作品になっていると思いますので、アニメーションをあまり見たことがない方にも、是非観ていただきたいと思いました。
アニメーションに限らず実写や邦画を含む、大きくエンターテイメントが着々と紡いできた、青春恋愛映画、恋愛ドラマの一番新しい、正統な後継作品だと思います。
それを狙ってやっていらしゃるのか、どう思っていらっしゃるのか分からないし、難しいことも僕にはよく分からないけど、むしろ僕は、そんなこと何も考えなくていいと思ってるんですけど、山田監督は、伝統を丁寧に取り込み、新しい技術や想いと融合し次世代へ継承してしまう人なんじゃないかと、思ったりしてしまいます。
監督を始め、京都アニメーションには、物語を次の場所に、次の未来に持っていく力のある人たちが集まってると僕は思う。
だから、勢いで観に行っちゃって大丈夫。ほんと、映画館という場所で見て欲しい作品です。ちゃんと別世界へ自身を連れて行ってくれるはずだから。
そういう意味でも、山田監督はいつか、日本と海外で大きな賞をとります。僕は、いまでも、第35回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞は、映画「けいおん!」だと思ってます。
映画の内容的には、予告にあったとおりの物語で、昔から幼なじみの「もち蔵」が「たまこ」に想いを伝えるというものなんですが、ほんとに終始、にやにやきゅんきゅんが止まらず、やばいです。もーやばい。
とにかく、もち蔵がんばった。本当に、頑張った。
2014年のまなべや頑張った大賞は、間違いなく、もち蔵です。
この、もち蔵の勇姿を始め、登場人物それぞれの勇気を、沢山の人に見てもらいたい気持ちで一杯です。
演出も、脚本構成もコンパクトで美しく、背景も画も場に馴染んでて、生きているように振動し、ドクドクと鼓動を発しています。
ほんと、演出、カメラワークがまじやべえです。この辺りの技術的なことが知りたい。瞳孔が揺れる間隔は0.何秒がいいとかそういうのありそう。
とにかく、言葉少なな表情や体の一部を使った仕草だけで物語が進行していく様(さま)に、言葉にならない感動を覚え、時を忘れて引き込まれてしまう。
アニメーションは、実写と違って、画面に見えるすべてのものを、それこそ、雲の形から、水辺の光の反射から、風で髪が揺れる動きから、目の瞳孔の揺れから、何から何まですべて描かなければいけない訳で、偶然風が吹いて、とか、偶然光がさしてとか、偶然そこにある置物でとか、偶然飛行機が飛んでとか、偶然人が通ってとか、そういうのは絶対になくて、ある意味ですべてに制作者の意図が入ってる。これは、僕がアニメーションが大好きな理由のうちの一つでもあります。
その、細部まで考えられた演出の丁寧さに、心底感動した。ほんとに。でも、それをも超えているものもあるように見えるんですよね、1秒か2秒かの最終的な判断はやっぱり監督の手腕だと思うし。そこに感情的なものが載ってしまうものだとも思う。そういう細かいものの積み重ねが、たまこラブストーリーを作ってるんだなと。
ほんと、言葉がないほどに美しいです。
その僕たちの言いようのない言葉を代弁してくれる声優さんたちが魅せる、一つ一つを確かめながら、ここという間で言葉を置いていくような芝居にも、終始心を打たれ続けてしまった。
まあ、たまこがほんと、何から何まで、めちゃくちゃ可愛すぎる。
北白川たまこ役、洲崎綾さん、難しい役にも関わらず、スゴすぎる。本当に素晴らしく声に力があって、いい湿っぽさと説得力も同時に合わせ持つ方。歌も素晴らしくて、前作の主題歌「ドラマチックマーケットライド」エンディングテーマ「ねぐせ」も、今回の「プリンシプル」もリピートが止まりません。
大路もち蔵役、田丸篤志さん、最高でした。一緒に叫びたかった。ほんと、僕も一緒に、心のなかで叫びまくっていました。もち蔵の言葉にならない気持ちを何から何まで表現してくださって、感謝しかない。もち蔵から溢れ出る愛嬌は、間違いなく、田丸さんあってのもの。
みどりちゃんや、かんなちゃん、しおりさんなどなど、登場人物も、本当に魅力的。
かんなちゃんがかなり、暴走気味で可愛い。牧野かんな役、長妻樹里さんすごい。まさにかんなちゃんみたいな職人みたいな方。安心して見ていられる。
しおりさんは、未来へ導く人。朝霧史織役、山下百合恵さん、相変わらず声が良すぎる。俺、山下さんの声大好きだ。
あんこは、たまこともち蔵二人のお姉さん。北白川あんこ役、日高里菜さんの声を聞くと何だか戻ってきたって感じがいつもします。
同時上映のチョイちゃん、デラちゃん、王子も、これがまた、すごくいい。
チョイちゃんの、キャラクターとしての完成度がすごい。
チョイちゃん役、山岡ゆりさん、デラちゃん役、山崎たくみさん、王子役、下野紘さん、三人の掛け合い大好きです。
やっぱり全員で、たまこまーけっとなんだなって、すごく安心した。
とても愛らしくとても可愛いです。とても素敵。
そして、なかでも、みどりちゃんの、その何というか、うまく言葉にできませんが、みどりちゃんはこの世界で一番幸せになるべき人だと僕は思います。
つまり、これは「みどりラブストーリー」でもあるのだ、と。
常盤みどり役、金子有希さん、素晴らしかったです。本当に。言葉がありませんでした。最高でした。あのシーンでは涙が止まりませんでした。
言いたくて、言えなかったこと、から続く予告の言葉のすべては、みどりちゃんのものだと思います。むしろ、みどりちゃんのための言葉だ、と。
みどりちゃんは、これからも、何も言わないでしょう。
その、言葉に出来ない想いを、来る日も来る日も、ただ、大声で叫び続けるだけなのでしょう。
みどりちゃんは、この世界で一番幸せになるべき人です。
絶対に、幸せにならなければならない。
たまこラブストーリーは、何かを愛し、そして、何かを失った、すべての人たちの物語だと、僕は思う。
たくさん言いたいこともあった気がするんだけど、何かもう、胸がいっぱいで。
今はまだ、あまり言葉にしないでおきます。
ちゃんと自分の中で、考えがまとまったら、また、少しずつ書き記していこうと思います。
大好きだった「たまこまーけっと」の続編が見られただけで、そしてこんなにも素晴らしい作品に出会えただけで、僕は、もう何も言うことはありません。
幸せで、胸がいっぱいです。
あ、一つだけあるとするなら、パンフレットに本編で使われてないシーンをいくつか載せて下さっていて、みどりちゃんのとかドキッとしたんだけど、最後のページのあのCパートぽい素敵な一枚絵に、デラちゃんチョイちゃんにもいて欲しかった、かな。でもそれは、特典で頂いたポストカードの如く、また、別の物語かもしれないけど。
山田尚子監督、キャラクターデザインの堀口悠紀子さん、脚本の吉田玲子さんを始め制作者のみなさま、声優のみなさま、京都アニメーションのみなさま、関係者のみなさま、本当に本当に素敵な物語をありがとうございます。
僕は、「たまこまーけっと」も、そして、「たまこラブストーリー」も、めちゃくちゃ好きです。
エブリバディ・ラブズ・サムバディ
誰かが誰かを好きになる
いつか誰でも恋をする
僕が君を見つけたように
たまこまーけっと
●たまこラブストーリー公式サイト
http://tamakolovestory.com/
●たまこラブストーリー公式Twitter
https://twitter.com/tamakolovestory
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