【ネタバレ注意】風立ちぬ絵コンテ全集を読んだ感想です。

2013年8月21日

風立ちぬ

 
風立ちぬ絵コンテ全集「スタジオジブリ絵コンテ全集19 風立ちぬ 宮崎駿」を読みました。

本当に見て良かった。

簡単ですが、続きに感想を書いてみました。

 

【ネタバレ注意】
続きに、風立ちぬ絵コンテ全集を見た感想を書いています。
映画風立ちぬをまだ見ていない方にとってはネタバレになってしまうかも知れませんので注意してください。
ネタバレが気になる方、「風立ちぬ」の内容を知りたくないという方など、絶対に続きを見ないでくださいね。

 
 

 
 
 

風立ちぬ

 
絵コンテを読んでいると原作漫画のようにも思えてきます。

 
時折こまかい心情なども記されていて、これがめちゃくちゃ興味深いです。

 
漫画とは違い、左開きで、時折はみ出したりしながらもコマも上から順に並んでて、文字も横書きでも全然気にならない。そういや最近、ネットとかでこういう形態の漫画あるなとか、そういうのってそのまま絵コンテの元みたいになったりするのかなとか思ったり。

 
頭の中を具現化させているすごさが伝わってきます。絵コンテ→原画→動画と形になる過程を追っかけて見たくなります。

 
絵的にも、宮崎駿監督の指示とかも、見てるだけで本当に面白いです。

 
「表現したいものがあって、次に処理方法を考えること」など書かれていたり、「アッと総毛立ち」など髪の毛が逆立つ表現や他にも色々、本当に沢山書き記されています。

 
宮崎監督が何かのインタビューか雑誌だったかで、風や髪の毛にも演技をさせるといったような事をおっしゃってたのを思い出していました。

 
風立ちぬ、絵コンテでもめちゃくちゃ面白いです。

 
映画でも引くぐらい泣いたのに、絵コンテでも同じように泣いた。早く映画もまた観に行きたいです。

 
 

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風立ちぬ

 
飛行機や、風景だけの場面ももちろんいいんだけど、やっぱり、人間のシーンや出会いのシーンがいいなあ、と。

 
今回の風立ちぬでは、二郎さんと菜穂子さんの出会いが、子ども時代と大人時代の2回あるし、何より、最初の出会いから二人の間には何かがある感じがひしひしと絵コンテからも伝わってきます。僕は、二郎は生まれてからずっとずっと菜穂子さんに会いたかったし、何なら今でもそう思ってるように感じています。それは、絵コンテを読んでより強く感じたことでもあります。

 
あと、黒川さんのかっこよさとかもひしひし伝わってくる。黒川さんの奥さんもかっこいい。黒川夫妻のかっこよさたるや、他を寄せ付けないほどです。俺、黒川さんみたいになりたいです。

 
 

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絵コンテを見ると、菜穂子さんに届いた二郎からの手紙は、山に来る日が決まるはずだったものが二郎はこれなくなったというものだったようです。いずれ行動に移してただろうけど、その手紙こそが天国への切符になったのかなとも感じました。自ら封を開け、切符を切ったのだと。それも片道切符だったんじゃないかと感じました。

 
そしてラストシーン、菜穂子さんのセリフが変わったと宮崎監督や庵野監督、鈴木プロデューサーが何らかの媒体でもおっしゃっていましたが、ラストシーンは他も絵コンテから結構変わっていました。たくさん葛藤があったのでしょうか。

 
離れでの事も今生の別れと書いてある。やはりラストシーンは死後のような世界だったのかも知れません。

 
以前風立ちぬの感想でも書きましたが、映画を初めて見たとき、最後、菜穂子さんが呼んでくれているのだと感じました。僕も菜穂子さんの元へ行きたいと思ったし、むしろ、今でもそう思っていて、僕はまだはっきりと自分の中で答えを出せていません。

 
力を尽くして生きたんだと。でも、菜穂子さんとは行き先が違うことも覚悟して受け入れてるし、自分たちは地獄へ行くべきで、実際に地獄に行くのだろうとも感じました。

 
僕はそう思ったし、それを受け入れている所がありました。

 
そして出来れば、菜穂子さんも一緒に来て欲しいとさえ思っていました。

 
 

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風立ちぬ

 
しかし、菜穂子さんの言葉は違った。姿はそのままで言葉だけが違った。

 
自分が感じたまま言うと、映画版ラストシーンは、言葉的に全く真逆への変更なのではないかと感じました。ある意味ですごく前向きなものになったとも思いました。

 
だからこそ、絵的には引きで言葉的には押しのような、神秘的で奇跡的なあのラストシーンになったのかもしれないなと改めて感じていました。

 
何を背負っていても、どんな境遇でも、どんなことがあろうが生きていかなければならないという事なのかも知れない。つまり、それでも生きねばならないのだ、ということ。いや、生きねばならないのだろうか、試しに生きてみようか、という事なのかも知れない。

 
まだ許されていない、許されるはずもない、死ぬことも許されないという事なのかも知れない。まだまだ、お前にはやることがある、という事なのかも知れない。

 
そして同時に、菜穂子さんは二郎の事を最後の最後まで何から何まで全肯定してくれている、という事の現れなのかも知れないな、とも感じていました。

 
だからなのかも知れないけど、僕は映画を見たとき、菜穂子さんが何があっても最後まで見届けていてくれて、ずっと待っててくれている気がして、そして何より、独りぼっちじゃないんだよ、と言ってくれている気がしました。

 
ここにいるから、がんばれよって言ってくれている気がしました。

 
二郎と同じく、僕にとってもそれが、本当に本当に、すごくうれしかったから、僕は一生この映画を見た日の事を忘れないと思います。

 
 

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それでも、僕にはまだ良く分からないことも沢山あります。僕自身、まだどうしていいのか分からないこともたくさんある。やはり、風立ちぬ丘で答えを出せる自信がまだ僕には無いのだと思います。だから、甘いのかも知れないけど、まだ僕の10年は来ておらず、まさにこれから訪れるのだと考え、今はとりあえずそれを受け取ることにしました。

 
覚悟を持って、力を尽くして生きてみよう、とその時強く思いました。

 
ここにこそ、僕が風立ちぬから強く感じたもの、自分にとってもとても大切なものがあるような気が今はしています。

 
宮崎駿監督が映画に込めた本当の想いがどういうものかは僕には分からないけど、事実「風立ちぬ」という映画は、また僕に強い力を届けてくれました。

 
そんな「風立ちぬ」という映画が、僕は大好きです。

 
あ、あと、シベリア食べたい。鯖は結構食べてる。鯖缶だけど。

 
 
 

 
 

おさらい

 
●風立ちぬ公式サイト
http://kazetachinu.jp/

●かぐや姫の物語公式サイト
http://kaguyahime-monogatari.jp/

●夢と狂気の王国公式サイト
http://yumetokyoki.com/

 
●映画風立ちぬの感想はこちら。
【ネタバレ注意】天国みたいな映画だった「風立ちぬ」の感想
http://manabeya.com/?p=21272

 

 
●TIFF(トロント国際映画祭)公式映像
SPIRITED AWAY: The Films of Studio Ghibli Trailer | TIFF Bell Lightbox 2013

 



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