ミクさんと卵雑炊を

 

公開日:2013年2月1日

 

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初音ミク



いろいろつらつらと思った事を書いておこうかと思いました

かなり長くなってしまいましたが、お時間のある時にでも是非

 

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●特別連載企画『未来は音楽が連れてくる』 | Musicman-NET
http://www.musicman-net.com/SPPJ01/

●僕らは「サード・サマー・オブ・ラブ」の時代を生きていた/日々の音色とことば:
http://shiba710.blog34.fc2.com/blog-entry-533.html



僕はボーカロイド界隈にも詳しくなく、音楽の歴史にも詳しくないです


僕は今、全く行動で示せてないし、あまり音楽にもボーカロイドにも関わってるとは言えないけど、何となく今、自分の為にもちゃんと自分の気持ちを書いておこうかと思いました



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何でも今は、世界での20年ごとの音楽ムーブメント、67〜87〜07〜の時代かもということらしい


日本で言えば、67年〜はフォークブーム、87年〜はバンドブーム、07年〜はボーカロイドブームとか、そんな感じなのだろうか、アイドルブーム、プロデュースブームとかなのかもしれない


今をアイドルブーム、プロデュースブームと認識している方は、ここから下のボーカロイドの部分をそれらに変えて、初音ミクの部分をそれぞれの好きなアーティストに変えて読んでいただいたほうが分かりやすいかも知れないです



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僕は、バンドブーム上がりでもあるおっさんなので、自分で歌うし、同じ曲をミクさんにも歌ってもらってるし、今後も誰か他のボーカリストに歌ってもらったりしようと思ってます


今は僕が歌う番だと理解してて、その準備も含め、少々お休みを頂いてます
中々思うように進んでないんだけど、それでもがんばっています



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僕がVOCALOIDを始めたのは2011年の終わりで曲を発表したのが2012年なので、とても遅かったからかもしれないけど、僕に関して言えば、ニコニコ動画やYoutubeで聞いたミクさんの声が気になり、クリプトンさんのデモ「ballade」を聞いてビックリして、これは自分の歌を歌ってもらいたいと思ったのが始まりかと思う


だから反体制や分かってもらえない、疎外感とかそういうのでは全くない
声が好き。自分の歌を歌って欲しかった。
本当にただそれだけだ



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バンドブームは何からだったのかな、と考えたら、いかすバンド天国とか、原宿のホコ天とか、ライブハウスとかそういうのから火がついたのかもしれない


僕自身は、ブルーハーツにドハマリして、真島昌利さんみたいになりたかったのだ
つまり、バンドブームに関しても、ギターが好き。自分の歌を歌いたかった。


多分、本当にそれだけだったと思う



今日までの結果として、売れる売れないに関して言えば、それだけでは駄目だった
仕組みや環境も一緒に考えなければいけなかった

努力も足らなかった

そして何より、運も必要だった

僕は、選ばれなかった



しかし、もう変えられるものでもない


僕はそういう風にしか生きられない



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何故はまったか、入り込んだか、で言うとやっぱり、ある程度は無料だったからということと、人が集まりやすい場所があったから、学校の友だちとかとの共通の話題に出来た(今はネットでも)、というのはすごく大きいのかもしれない


だから、みんなでワイワイ言いながら楽しみたいというのは本当にそうだなと思う


今はネットもあるし、リアルでもネットでもみんなでワイワイ楽しみたいな、と本当に僕もそう思うし、そういう体験にこそお金を払いたい、と僕も思う


そう思うのだが、得意不得意はある
自分が直さねばならないところだと思うが、性格上ワイワイがあまり得意ではない


だからこそ、昔から提供する側に回ろうとしているのかもしれない


そこを絶たれると、色々結構厳しくなるのだが、それは自分で選んだ道だから、もうしょうがない


根暗には厳しい時代だ


しかし、まさに、そういう風にしか生きられないのだからしかたがない



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少々、話がそれてしまった


無料だったから、つまり、お金のことに関しては、今のままでは駄目で、洗礼されたシステムが必要だと思ってる


次第にそうなっていけばいいな、演者と聞く人両方が幸せになるような感じでうまくいったらいいな、と思ってる


ボーカロイドに限らず、会社員かフリーかニートかどうかとかそういうのにも限らず、何かしら才能のある人はがんがん稼ぐべきだと思ってて
アマチュアもプロも共存しながらごった煮でやればいいと思ってて
その中でも受け入れられるものや受け入れられない物もあるだろうし、それでも残るものもあれば残らないものもあるだろうと思ってる


だから当然音楽も全部が全部無料でいいとは全く思ってない
最初は敷居が低く無料で、フルで聞くいい音で聞く長時間聞くみんなで聞くには有料になるといったような、何かしらいい感じのシステムが必要なんだろうな、とぼんやりと思ってる


それは今までのように広く広く聞いてくれる人達からかもしれないし、ファンクラブのように応援してくれる方々からとかライブだけとかかもしれないし、海外の音楽サービスのように、配信サイトや動画サイトから再生回数x何%貰うとか広告収入から何%貰うとか、そういうのかもしれないし、全然違う何かかもしれない
今はまだよくわからない


つまり、お金の事に関して言えば、僕はシステムの問題、仕組みの問題だと思ってて、それがまだ洗礼されてないだけで、クリエイターや演者や聞いてくれる人の問題では全くないと思ってる



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システムの問題で言えば、音楽ランキングや音楽番組なんかもそうで、なんというか、ジャンル別とか店別、地域別とか、聞いた回数とか時間比率だとか、単純な売上枚数や金額以外の指標を沢山取り入れたような、もっと新しいものに触れやすいものにするべきだと思う


ちょっと単一すぎて、テレビやCMなんかに流されすぎてる


もちろん、それらも必要だが、とにかく、聞いてくれる人達に新しい日本の音楽にもっともっと触れてもらわないといけない



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日本は、その導入部分の所があまりうまくいってないだけなんじゃないかな、と思う


つまり、ハードルが高いと思わせてしまってる何かがある


本来音楽は、ハードルが低くて、誰にとってもめちゃくちゃ楽しいもの、関わってる誰もが幸せになれるものだと僕は思う


僕は日本のお客さんの感性を信じてて、そのお客さん達がいいものをいいと思ってガンガン聞いてくれる環境さえ整えば、次第にいいものがもっと沢山、ガンガン表に出てくると思っている



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日本の音楽が駄目だ、遅れているという意見も聞くが僕は全くそうは思わない
音楽が悪い訳ではないし、クリエイターのせいでもお客さんものせいでもない
両者を繋ぐ仕組みがうまくいっていなくて、日本本来のいいものの大半が埋もれてしまっており、ある一部分のみ表に出てきている状態だと僕は思ってる


つまり、大好きな人の所に大好きな音楽を届けることさえ、もっともっとうまく出来れば、もっともっと日本の音楽を聞いてくれる人が増えて、音楽自体を好きになってくれる人が増えるはず


今のランキングや番組、情報提供、情報取得のやり方では、すべての人にその楽しさ良さが行き渡るようなのものを望むのは難しいので、ジャンルによっては上手く行かなくなってるのだと思う


そろそろ権威的にレコード会社やテレビなんかから紹介されてきたいままでの仕組みから離れて、みんなで驚いたり、楽しんだりしながら、新しい音楽に触れてもらえるような仕組みが必要だと思う


それが、Pandora radioやspotifyのようなものなのかもしれないが、使った事がないので分からない


そういう意味でも、ニコニコ動画なんかには、本当に頑張って欲しいと思う


ボーカロイド関係はニコニコ動画でOK、アイドル関係はオリコンでOK、アニソン関係はアニラジでOK、あとはYoutubeでOKだという所はあるかもしれないが、それ以外のジャンルや広く広く一般の老若男女沢山の人が新しい音楽に合法的に触れる場所がない


もっと日本からそういう新しいサービスが沢山出てくればいいのにな、と思ってる



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ボーカロイドブームに関しては、導入部が無料だからというのももちろんあるだろうし、皆でワイワイしたい、とか共通認識とか共通体験ももちろんあるだろう


ネットの力もかなり大きいと思う


ただ、ブームというか、これだけ人気が出たのは、上にも書いたけど、個人的には、単純にミクさんの声が心地良く、ボーカリストとして非常に優れていたからだと思ってる



つまり、すごくヤバい人が現れたから、だ



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なので、拒否反応を示す人は必ずいると思う


その声が駄目な人もいると思うし、飽きる人もいるだろうと思うが、それはボーカロイドが、ではなく、誰々というボーカリストの声が駄目だ、というのと全く同じ事だと思っている


なので、ボーカロイドの中でもこの声は好きだけど、この声はあんまりだというのが全然あり得るだろうし
誰々のどういう曲が好きだけど、誰々のどういう曲はあんまりだ、というのもすごく分かる


そういう人にとっては、ボーカロイドは馴染んでいるような気がする
ボーカロイドも聞くし、海外のアーティストも聞くし、アイドルも聞くし、アニソンも聞くし、Jpopも聞くという具合に


逆に「ボーカロイド」で大きくひと括りにしてしまってる人は、ブームがどうかとかに少々敏感になってるのかもしれない


「ガラパゴス」という言葉に敏感になっている人達のように



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つまり、彼女はボーカロイドではあるけども、初音ミクであり、ここは日本なのだ、才能溢れる素晴らしい人達がごまんといる


だから、大丈夫だと、僕は思う


何も心配する必要はない



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個人的な想いも書けば、「ボーカロイド」の”ブーム”みたいなものがあるのだとすれば、僕はブームこそ、ブームを作りたい人が作った何かだと思っているので、それは当然元に戻るだろうが、いく人かのボーカロイドやクリエイター、絵描きさんや動画を作る人など、そして、それらの周辺技術などに関しては当然、なんの問題なく続いて行くのではないか、と思ってる


何故なら、声がいいし、曲もいいし、技術もすごい

そもそも、すべてが無くなる理由がない



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ブームがあるのだとすれば、そんなものそもそも無かったものなので元に戻るのは当然だと思うし、勝手に次につながっていくものだと思う


また、ブームなど考えもせず、自分の一部として当然のように存在しているという認識の方のほうが多いとさえ僕は思ってる


先にも書いたが、ボーカロイドも、海外のアーティストも、アイドルも、アニソンも、Jpopも聞くという具合に曲単位で聞き始めている方も多いと思う


その方々にとってみれば、ロックやポップスというジャンルの中に、ボーカロイドの曲も当然の様に入っているのだろう


誰々というボーカリストが歌う曲というのと同じように


そして、ボーカロイドしか聞かないという人も、ボーカロイドの誰々しか聞かない人も当然いるだろう


ちなみに、昔の僕も一時期ブルーハーツしか聞いていなかった
そして、今でもブルーハーツは大好きだし、よく聞いている

だから大丈夫だ、何も心配する必要はない


まあ、こんな訳の分からないおっさんにそう言われても心配なのは分かるが、ここは無理やり納得して頂くしかない



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ここまでを総じて簡単に言うと、僕は日本で聞いてくれている人や体験してくれている人の感性も愛も世界一だと思ってる


だから、その人達の為に作り続ければいい

そして何より、自分の為に作り続ければいい


それは決して、ブームの為でもブームを作る為でもない



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僕がバンドでギターを初めて、ボーカロイドで曲を作って発表したりしてるように、それはずっと繋がっているものだから、今ボーカロイドで音楽に初めて触れたひとの中に今後何かに繋がる人がたくさん出てくるだろうと思う


それは、音楽でなくても良くて、絵でも動画でもダンスでもいいし、また、想い出としてずっと心に残るものであってもいい


会社で話題に上がったり、友達との会話の糸口になったり、僕みたいに、20年後、幼馴染との会話に出てくることもあるだろう


全員がずっと音楽と共に生きる必要はない、その時その時で本当に自分が好きだ、と思ったものと共に生きるべきだと僕は思う



また、それを境に音楽と共に生きる人も沢山いると思う


いつの時代も、素晴らしいミュージシャンはたくさん出てきたし、これからもそれは変わらないだろう


その中の選ばれた人達は、ブームと言われるモノの終わり頃に多く現れ先の数十年を支えることになると思う



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当然、ボーカロイドの先に、また違うものが流行ったりするだろうし、事実そうやって時代は変わってきた


僕がバンドブームで始めたギターをボーカロイド曲の中で披露しているように、その先の何かでボーカロイドやその周辺技術、機材なんかが使われるということになるのだろうと思う


それは、ブームが過ぎ去ったとも言えるかも知れないが、クリエイター達の良き相棒として、ブーム時よりもより近くで僕達を支えてくれるということなのではないだろうか


つまりそれは、退廃、退化ではなく進化なのだと僕は思う
忘れ去られるわけではなく、それが本当に必要な人々の中に深く深く刻まれ、その人を創る一部になるのだ


そういう意味で、初音ミクを始めとしたボーカロイドやその技術、クリエイターやそれらを核とした様々な周辺技術は永遠になり得るものだと、僕は思う


ミクさんは大きくなりすぎたという人もいるかもしれないが、僕はそうは思わない。僕の中では、ずっと同じだ。初めてA3をクリックして声を聞かせてくれた日と同じだ。いつものミクさんがそこにいるだけだ


n次創作がどうなるかも、僕には分からない。次第に1次創作のみ楽しんだりすることに終息していくかも知れないし、また何かの拍子に突如四方八方に盛り上がりを見せるのかもしれない


ただ、これからも、人もVOCALOIDも進化を続けると思うので、その中で、また何かが生まれてくるだろうと思うし、生まれてきて欲しいと思う



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ある時期に来ると、「〇〇は終わった。」と言う人が沢山出てくるだろう。それはこれからも毎年毎年、恒例行事のように行われると思う

それに対する僕の答えはただ一つ


「   」だ


黙って、作り続けろ、俺


今日は、何かいろいろ書いちゃったけど、今日だけは許してな



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今の時代は、本当に素敵な時代だ
今までこんな簡単に自作の曲などが発表できた世界はなかった



67年では楽器が、87年では電子楽器が、07年では音声楽器が簡単に扱えるようになり、それらの技術を合わせて、これからも沢山の人達が自分を創り、自分を表現していくだろう



次は何が流行るのだろう、簡単に演奏が出来るようになるのだろうか、それとも簡単にメンバーが集まるのだろうか、はたまた簡単にライブが出来るようになるのかもしれない、そしてもしかすると、いとも簡単に距離や人種、国境や言葉の壁を超えていくようになるのかも知れない


そして、それこそが、僕に与えられた使命かもしれないと最近思う



僕は文化的に日本が世界の最先端を突っ走っていると思っているし、それはクリエイターだけじゃなく聞いてくれている人達もそうで、ごった煮というか、寄せ鍋というか、そういう鍋的文化、鍋文化の中からそういうものが生まれてくると思っている

ぐつぐつ煮える中から次の何かが生まれては還っていく事を繰り返しているのだ



その中からまた、ヤバい何かが突如現れるはずだ

いや、すでに現れているかもしれない



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僕は、僕なんかじゃ思いもつかないようなものをこれからも沢山見たい
だから、この世界のはしっこでそれを楽しみにまっていたい
そして僕も、出来れば、すこしだけ力にもなりたいと思っている


ましてやネギは最高のお供である
そして僕は、お肉やお野菜やおうどんになれないことは分かってる
しかし、最後の卵雑炊の水分子一つぐらいにはなりたいのだ


卵のように生まれ変わり進化する何かを、はじっこのはじっこでいいから、ずっと見ていたいのだ

そして出来れば、ずっとそばにいたいと思ってる


ただただ、大好きな人の「今日のご飯おいしかったね!」という声が聞きたいだけなのだ
大好きな人の心にひとときの幸せを届けたいだけなのだ



これからも作り続けよう、と思う


僕はやっぱり、そういう風にしか生きられないから



若者に限らず、僕みたいなおっさんも、大好きな人の為に作り続ければ、めちゃくちゃいい感じにおいしく仕上がるはずだと
それは本当に本当においしいものになるはずだと、僕はそう信じているのだ


つまり、これからも、いや、これからこそ、もっともっと音楽というものに本気になる必要があるし、もっともっと愛が必要だというふうに僕は思うのです



愛をこめて



眞鍋 弘嗣